2011年10月29日土曜日

インプットとアウトプットの関係


立花隆『「知」のソフトウェア』(講談社現代新書)
先にインプットは時間がかかるといったが、アウトプットにはそれと比較にならぬほどの時間がかかる。二時間で読み終わるようなちゃちな本でも、書く側は百時間から二百時間くらいはかけている。したがって、先に述べたような残り時間の配分の計算にしても、自分の残り時間をインプットとアウトプットの間でどう配分すべきかということをまず考えなければらならい。アウトプットへの配分を多くすると、インプットへの配分がどんどん小さくなり、両者の比は低下する。すなわちアウトプットの質が低下する。
書きすぎの著者の本は中身が薄いのが通例である。しかし、逆は必ずしも真ではない。寡筆だからといって中身が濃いわけではない。(P.22)
そうなんだよねえ。何事も。消費する、壊す、 捨てる方が、生産する作業よりも常にかかる時間は少ない。しかし、この本は1984年なので、コンピュータが可能にしたデジタルデータの再生産コストの問題は、この時代の議論には当然の如くない。あくまでオリジナルを生産するコストの話。

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